来店型の店舗を事業化する際に、最初の壁になるのは「予約管理」と「決済」の機能でしょう。
テスト的な運営で、対応数が限られる場合はLINEでのやり取りやカレンダーへの記入、Excelでの集計でもなんとかなるかもしれません。しかし、一定以上の規模になると、こうした運用は限界を迎えます。
こうして予約システムを検討することになるわけですが、その際に必ずと言っていいほど候補に挙がるのがSTORES予約です。
STORES予約は、ネットショップ作成サービスなどを展開する「STORESシリーズ」の一つとして提供されている予約管理システムです。
無料プランも展開しているため、小規模からでも比較的始めやすいツールとして知られる「STORES予約」ですが、実際どの程度使えるのでしょうか。
本記事ではSTORES予約の無料プランを試してみようと考えている人のために
- 無料プランでできること
- 無料プランの限界
- 導入時の注意点
などについてわかりやすく解説します。
STORES予約とは?店舗向けの本格予約システム
- ツール名:STORES予約
- 運営会社:STORES株式会社
STORES予約は、ネットショップ作成サービス「STORES」などを提供する STORES株式会社 が運営する予約管理システムです。
2014年に「Coubic」という名称でリリースされ、2020年の名称統一で現在の「STORES予約」に変更されました。
サロン・スクール・イベントなど、さまざまな業種の予約受付をオンラインで管理できるサービスで、予約ページの作成から顧客管理まで一括して行うことができます。
STORES予約の料金プラン
STORES予約には無料プランと有料プラン があります。
※最新情報は公式サイトで確認してください。
| プラン | 料金 | 特徴 |
|---|---|---|
| フリープラン | 無料 | 月50件まで予約受付 予約ページ2ページまで その他各種機能制限あり |
| スモールプラン | 9,790円/月~ | 月200件まで予約受付 予約ページ10ページまで 基本機能が使えるプラン |
| チームプラン | 19,690円/月~ | 月300件まで予約受付 予約ページ10ページまで スタッフ登録3人まで |
| ビジネスプラン | 28,600/月~ | 月2000件まで予約受付 予約ページ50ページまで スタッフ登録20人まで |
| エンタープライズ | 66,000円/月~ | 月5000件まで予約受付 予約ページ100ページまで スタッフ登録無制限 |
予約受付数や商品ごとの予約ページの数、スタッフごとに予約を受けるかどうかで料金の段階が作られています。
無料プランには予約受付数以外にもいくつかの制限はありますが、予約ページを作ること自体は可能で期間制限もありません。
詳細な予約ページ設計が不要で、予約も少ない状況であれば無料のまま使い続けることも可能です。
一方で、
- 予約件数が多い
- スタッフ管理をしたい
- 本格的に店舗運営する
場合は有料プランの検討が必要になるでしょう。
STORES予約の無料プランでできること
STORES予約の無料プランは、月の予約件数が50件までという制限はあるものの、基本的な予約システムは無料プランのままで利用することが可能です。
無料のままでどこまでできるのか、具体的な機能を見ていきましょう。
予約ページの作成

STORES予約は、無料プランでも自分のお店専用の予約ページを作成できます。
お店の紹介をする「予約トップページ」と、実際に予約できる商品を紹介する「予約ページ」を作成可能です。
予約ページは、教室のように開催日時が決まっている「レッスン・イベントタイプ」と、空いている時間帯をみて、時間を指定して予約できる「メニュータイプ」の2つから選んで作成が可能です。
前者はセミナーなど、後者はサロンやコンサルの予約などで使うイメージです。
この2つのタイプがあれば、大体の業種の予約に対応が可能でしょう。
カレンダーによる予約管理
お客様から入った予約は、管理画面のカレンダーに自動的に連携されます。カレンダーから予約内容を確認したり、キャンセルしたりできます。
予約を承認制にすることもできます。その場合は、「承認」した段階で予約が成立します。
電話で受けた予約を店舗側で直接書き込むこともできます。予約を集約すればダブルブッキングのリスクを低減させることもできるでしょう。
決済機能|手数料は4.9%+99円
デフォルトでは「現地支払い」のみになっていますが、申請すれば「オンライン決済」設定することも可能です。
オンライン決済の場合、クレジットカード手数料は4.9%+99円になっています。
また、複数回の利用権を一括で販売する「回数券」機能や、毎月一定額を受け取る「月謝」機能も備えています。
この「回数券」や「月謝」機能は、競合する「freee予約」の無料プランでは提供していない機能です。
無料プランでもこうした支払い方法が選択できるという点は、STORES予約の長所かもしれません。
まとめ
STORES予約の無料プランでも、基本的な予約システムとしての機能は一通り利用できます。
具体的には、
- お店専用の予約ページ作成
- レッスン・イベント型/メニュー型の予約受付
- カレンダーによる予約管理
- オンライン決済の設定(申請後)
といった機能が利用可能です。
また、回数券や月謝といった支払い方法にも対応しており、この点は競合する予約システムと比べても特徴的なポイントと言えるでしょう。
STORES予約の無料プランを使う上での注意点
ここまで見てきたように、STORES予約は無料でも予約の受付から管理まで一通りのことができます。
期間制限もないため、無料プランでも使い続けることは可能でしょう。
一方で、無料プランには利用する上で注意すべき点もあります。
ここからは「無料プランを試してみよう」と思う人のために、申し込みから利用時までの注意点を見ていきましょう。
月50件までしか予約を受けられない
無料プランを使う上での最大の注意点は、予約受付件数が「月50件まで」しか受けられない点です。
月50件を30日で割ると1日に受け付けられる予約は1.6件。
小規模なサロンや個人事業なら問題ありませんが、
- 人気店舗
- 複数人スタッフ
- 予約が多いサービス
ではすぐ上限に達する可能性があります。
有料プランになれば予約上限が緩和だけでなく「複数スタッフの登録」「スタッフの指名予約」「初回無料クーポン機能」などの追加機能が利用できるというメリットもあります。
しかし、こうした追加機能が必要なく「基本的な予約受付だけできればいい」という場合は、有料プランが割高に感じるかもしれません。
そうした場合はfreee予約のように無料プランでも予約上限を設けていないツールもあるため、こちらを検討するのも良いかもしれません。
申し込みの心理的ハードルがやや高い
STORES予約で無料プランを申し込む場合、メールアドレスに加えて名前や電話番号、住所などの情報が求められます。
登録後には、サポートから困ったことが無いかを尋ねる電話もありました。
STORES予約についてある程度理解し、導入を前提に考えている人にとっては登録情報が多くても何の問題もないでしょう。
そうした人にとって見ると、登録後の電話サポートはむしろ安心できる材料になります。
しかし、予約システムの検討を始めたばかりで、「ちょっと登録して、動きを試してみよう」という人にとってはやや心理的なハードルが高いかもしれません。
予約システムの基本を理解したい人は、メールアドレスだけで登録できる「freee予約」のようなサービスもあるため、そちらを先に試すのも良いかもしれません。
特定商取引法の表記がないと予約ページ公開できない
STORES予約では、予約ページを公開するために特定商取引法の表記が必ず必要になります。
法律上は予約受付のみでオンライン決済を行わない場合は必ずしも表示義務があるとは限りませんし、実際に他の予約システムではクレジット決済を使わない場合は不要なケースもあります。
STORES予約はこの点について少し厳しい規定になっているといえます。
予約システム導入を本格検討している法人であれば特に問題ないかもしれませんが、予約受付を検討している段階の個人の場合は心理的ハードルが高いかもしれません。
表示される機能が多く初心者は少し迷う
STORES予約は機能が多く、管理画面も本格的です。
管理画面には「複数店舗管理」や「スタッフ管理」「予約回数制限」など、有料プランの機能も並ぶため
- 初めて予約システムを使う人
- スマホ中心で操作したい人
は「どれを設定すればよいのか」迷う可能性があります。
とはいえ、表示されている機能すべてを設定する必要はありません。自分のやりたいことに必要な機能がどれなのかを落ち着いて確認すれば、問題はないでしょう。
スマホアプリ中心で操作する freee予約 とは異なり、STORES予約はPCの管理画面で細かく設定できます。
- 本格的に予約管理を行いたい人
- 店舗運営で継続的に使う人
にとっては、むしろ使いやすいシステムと言えるでしょう。
STORES予約の有料プランでできること
ここまで見てきたように、STORES予約は無料プランでも基本的な予約受付を行うことができます。
一方で、無料プランでは予約件数の上限が50件/月に制限されます。予約件数上限が足りない場合や、より便利な機能を使いたい場合は有料プランを検討することになるでしょう。
STORES予約には
- スモール
- チーム
- ビジネス
- エンタープライズ
といった複数の有料プランがあり、予約上限や使える機能はプランごとに異なります。
とはいえ、これから予約システムを検討する段階の企業であれば、有料でもスモール〜チームプランが選択肢となるケースが多いでしょう。
ここからは、有料プランも見据えて試したい人のために、スモール〜チームプランと無料プランで大きく変わるポイントを紹介します。
予約件数の制限が緩和される
無料プランでは、予約受付件数が月50件までという制限があります。
対して、スモールプランでは月200件、チームプランでは月300件まで上限が上がります。
200件あれば月30日計算で平均1日6.6件の予約を受け付けることができます。店休日や実際の対応時間を考えると、スタッフが複数人いても十分対応できる水準でしょう。
有料でも予約上限が無くなるわけではありませんので、どの程度の予約件数が必要かを考えながらプランを選ぶことが重要です。
スタッフごとの予約管理ができる
チームプランではスタッフごとの予約管理機能を利用できます。
例えば
- スタイリストごとに予約を受ける美容室
- 講師ごとに予約を受けるスクール
- 担当者ごとに予約枠があるサービス
などの場合、それぞれのスタッフごとに予約枠を設定することが可能です。
スタッフの人数が増えれば増えるほど予約の割り振りに時間がかかるようになるので、こうした機能は有用でしょう。
回数券や月謝などの販売・利用機能
STORES予約では、回数券や月謝といった販売方法にも対応しています。
例えば
- 回数券(5回・10回などの利用券)
- 月額制のサービス(スクールやサブスク型サービス)
といった形で、継続的なサービス提供を行うことも可能です。
無料プランでも販売そのものは可能ですが、それを利用した予約には対応していません。
予約した際に自動的に消費されていくような管理をしたい場合は、有料プランへの加入が必要です。
有料プランには店舗運営向けの機能が充実している
このほかにも「予約通知メールのカスタマイズ」や「メルマガ・DM手動・一斉配信」など、有料プランで追加される機能はまだあります。
これらをすべて解説することはしませんが、有料プランは個人が「まず予約ページを作ってみる」という用途よりも、店舗として継続的に予約管理を行う場合に向いているシステムと言えるでしょう。
- 月50件以上の予約が入る
- 複数スタッフで予約を受けたい
- 店舗運営として予約管理を行いたい
このような条件に当てはまるなら、有料プランを検討してみても良いかもしれません。
まとめ|STORES予約は本格的な予約管理を行う店舗向けのシステム
STORES予約は、無料プランでも予約ページを作成し、基本的な予約受付を行うことができます。
無料プランでも
- 予約ページの作成
- カレンダーによる予約管理
- クレジットカード決済
- 回数券や月謝の販売
など、基本的な機能を利用できます。
ただし、無料プランでも登録時には氏名や電話番号などの情報入力が必要で、予約ページの公開には特定商取引法に関する表記が必須となっており、申し込みの心理的なハードルは高めに設定されている印象です。
予約受付件数の上限が50件/月に制限されていることもあわせて考えると、STORES予約の無料プランはある程度「どのような使い方をするか」を想定した企業や個人が有料プランの前段階として利用するプランと言えそうです。
すでにサービスを提供している法人であれば、特に問題なく利用できるでしょう。
一方で、これから事業を始めようと考えている個人の場合は、個人名を表記することに抵抗がある人もいるかもしれません。
「動きを確認して予約システムを学びたい」という段階の人は、メールアドレスだけで登録できる「freee予約」を先に試してみるのも良いかもしれません。
予約システムは一度使ってみないと、どの機能が必要なのか分かりにくいものです。まずは無料プランを試しながら、自分のサービスに合った予約システムを選んでいくのも一つの方法といえるでしょう。

