小さな企業が業務のシステム化を検討するとき、最初に名刺管理から手をつけるケースは少なくありません。
担当者がそれぞれ顧客を抱え、通常業務で手一杯。名刺は増え続けるものの、情報を整理したり、社内で共有したりするところまで手が回らない。
よくある話です。
そんな状況を見て、
「この資産をうまく使えば売り上げ増やせるのでは?」
と管理職が考えるのも無理はありません。
そこから指示を受けた情シス(あるいは情シス役を任された人)が検討を始めると、かなりの確率でつまづきます。
理由はシンプルです。
比較表や無料体験を使えば、
- どんな機能があるのか
- 何ができるのか
まではわかります。しかし、
- どのように運用されるのか
- 誰が管理するのか
が見えにくく、「お金を払うだけの価値があるのか」を判断するのが難しいからです。
そこでこの記事では、名刺管理アプリを導入する前に、その価値があるのかを無料で“判断”するための現実的な方法を紹介します。
名刺管理アプリの「いきなり導入」が失敗しやすい理由
名刺管理アプリの導入がうまくいかない理由は、ツールの性能や選定ミスというより、導入前の前提が固まっていないことにあります。
小さな企業では特に、次のようなケースが重なりがちです。
① 「何がしたいか」が決まっていないまま検討が始まる
名刺管理の検討は「顧客情報を共有できれば役に立つはず」くらいのフワッとした要件で始まることが少なくありません。
しかし、「役に立つ」には
- 名刺を使ってDMを送る
- 既存顧客に別商材をセットで案内する
- 顧客を支払い金額や取引規模でグループ分けして管理する
などの種類があり「共有したデータでなにがやりたいか」によって向いているツールは違ってきます。
情シス担当が現場業務も兼ねていれば、「何がしたいか」をある程度イメージできる場合もあります。
しかしこの整理ができていない状態でツール検討に入ると、ツールの営業担当者から
「お困りごとはなんですか?」
「具体的に、名刺管理で何がしたいんですか?」
と聞かれても明確に答えられません。
結果として、
「それなら、何でもできるこのツールが安心です」
という流れになり、必要以上に高機能・高価格なツールを選ぶことになりかねません。
最適なツールを選ぶためには「何がしたいか」をある程度イメージできる状態にしておくことが重要なのです。
② 無料期間が短く、実質テストにならない
仮に「何がしたいか」がある程度決まっていたとしても、無料トライアルでつまづくことがあります。
多くの名刺管理アプリは、機能を体験できる無料期間を設けています。しかし、その無料期間は1〜2週間、長くても1か月程度であることが一般的です。
この短期間では、
- 社内に使い方を案内する
- 名刺を実際に登録してもらう
- 使われているかを確認する
だけで時間が終わってしまうことも珍しくありません。
本当にテストしようと思えば、
- どの機能を
- どの業務で
- どの観点で検証するか
といった 事前準備 が必要になります。
しかし、小さな企業でそこまで準備する余裕はなかなかありません。
仮に準備して臨んだとしても、実際に使い始めると必ず、
「あ、ここも不便だな」
「これも想定していなかった」
という点が出てきます。
短い無料期間では、その「運用上の違和感」が見える前に判断を迫られてしまうのです。
③ テストを繰り返すうちに「テスト疲れ」が起きる
こうしたテストが続くと、次に起きるのが「テスト疲れ」です。
- A社を試した
- よく分からなかった
- 次はB社
- また案内して、登録して、説明して……
この繰り返しに、現場も管理側も疲れてしまいます。
そして最終的には、
- もうどれも同じに見える
- ちゃんと比較できていない
- とりあえず一番有名なところでいいか
という、消極的な決断になりがちです。
失敗の原因は「判断の前に導入している」こと
ここまで見てきた失敗の多くは、「どのツールが良いか」の問題ではありません。
判断するための材料がそろっていない段階で、導入判断をしていることが最大の原因です。
この失敗を避けるためには
- ①ツールで何をしたいのか明確にしておく
- ②テストの前に内容などを入念に準備する
- ③判断軸を明確にし、テストするツールを絞る
ことが必要になります。
しかし、これらを実現するためには相応の準備が必要になります。小さな企業でそこまで準備する余裕はないかもしれません。
とりあえず使ってみながら使い道や不便なところを洗い出したい。でも体験期間は限られている。
こうしたジレンマを解決するひとつの方法が、名刺管理アプリ「myBridge」を導入ツールではなく、判断のためのツールとして使うことなのです。
判断前にちょうどいい名刺管理アプリ「myBridge」
名刺管理アプリで失敗しやすい原因は「どのツールを選ぶか」ではなく、判断するための材料がそろっていないまま導入してしまうことでした。
では、なるべく準備の手間をかけずに判断材料をそろえるには、どんなツールを使えばいいのでしょうか。
そこで選択肢になるのが、個人でも使える名刺管理アプリ「myBridge」です。
個人でも法人でも使える名刺管理アプリ「myBridge」

- ツール名:myBridge
- 運営会社:マイブリッジ株式会社
LINEヤフー傘下のマイブリッジ株式会社が運営する名刺管理アプリ「myBridge」は、法人向けオンリーの名刺管理システムではありません。
個人向けの名刺管理アプリとしても提供されており、
- 名刺のスキャン(スマホのカメラでOK)
- 「個人名刺帳」へのデータ登録(制限枚数なし)
- CSV形式での名刺データ出力
などの機能が無料で提供されています。
スキャンした名刺情報を自動的に共有する「共有名刺帳」は有料ですが、有料プランを検討する前にまず個人で使ってみて、「何ができそうか」「何ができなさそうか」を試すことが可能です。
法人向け機能は用意されているけれど、個人でも一通りの機能は使える。
この立ち位置だからこそ、判断前の段階で使うツールとしてちょうどいいのです。
覚悟も稟議もいらず、すぐに触れる
多くの法人向け名刺管理アプリでは、無料期間はあるものの、法人名義での申し込みが必須です。
一方、myBridgeであれば、
- 個人でインストール
- 名刺を撮影して登録
- すぐに使い始める
という流れで使い始めることができます。覚悟も上への説明もいりません。
「まず触ってみる」それから「本当に必要かを確かめる」
という運用が可能です。
限られた無料期間で試すには、「何に使うか」、「誰に使ってみてもらうか」などのテストの設計が必要になります。
しかしその設計をするためにはまず自分が使ってみる必要があります。
期間を気にせず試すことができる点は、判断段階では大きなアドバンテージになるはずです。
CSV出力で「擬似的なチーム運用」も試せる

myBridge のもうひとつの特徴が、個人で登録した名刺データを CSVで出力できることです。
これにより、
- 数人がそれぞれ個人で名刺を登録する
- 各自がCSV を出力する
- Excel などでデータを合体
といった形で、簡易的なチーム運用を試すことができます。
もちろん、手作業での結合作業が発生するため、決して便利ではありません。
しかしその不便さも、
- 名刺管理を続けられるのか
- この作業を毎回やるのか
- 自動化したくなるポイントはどこか
を考えるための、重要な材料になります。
「名刺管理にかけられる金額」も見えてくる
CSVによるチーム疑似チーム運用は、名刺管理アプリにどの程度の費用をかけるべきかを考える上でも役立ちます。
たとえば、名刺管理を使ってやりたいことが「名刺情報をデータ化し、DMを送る」だったとします。
その場合
- まずは5人程度の少人数で利用
- CSVで名刺データを作成
- 実際にDMを送付
- 問い合わせや売上の発生を確認
という手順で「反応率」という数字が手に入ります。
あとはその運用を全体に広げた時にどの程度の見返りが期待できるかを考えれば、「名刺管理アプリにいくらまで払えるか」という上限金額が見えてきます。
こうしたテストは1週間ではまず不可能ですし、1か月でも難しいケースが多いでしょう。
だからこそ、期間を気にせず使えるmyBridge が判断前の段階に向いているのです。

myBridgeを判断ツールとして試す上での注意点
myBridgeを使えば、CSV出力によって擬似的なチーム運用を試すことができます。
大きなメリットがある疑似チーム運用ですが、ひとつだけやってはいけないことがあります。
それは、CSVの合体作業を情シス(または情シス役の人)が引き受けてしまうことです。
一見すると、親切で合理的に見えます。しかし、この判断は名刺管理導入を失敗させる原因になりがちです。
情シスが全部やると「不便さ」が見えなくなる
CSVによる「疑似チーム運用」では、下記の作業が発生します。
- 各担当者がCSVを出力
- データを整理(重複など)
- 必要に応じて更新する
この部分を情シスが担ってしまうと、現場はこう感じます。
- 名刺管理は疑似運用で特に困らない
- 無料のままで十分では?
つまり、現場に「不便さ」が一切残らない状態になります。
その結果、有料プランへの移行判断が行われず、情シスの労力(隠れコスト)がかさんでいき、本来やるべき「次のツールの導入判断」に進めなくなってしまいます。
結合作業を営業現場などが担うことになれば、「不便さを解消するために有料プランへの移行すべきか」という判断が生まれます。

無料で終わらせないための、あえての不便
myBridge は、無料で使える名刺管理アプリです。
しかし、無料で完結させるためのツールではありません。
あえて不便を残し、あえて手作業を体験し、その上で、
- それでも価値があるのか
- ここにお金を払いたいのか
を考える。
このプロセスを踏むために、CSV合体を情シスがやってはいけないのです。

名刺管理アプリにお金を払う価値はどこで判断すべきか
CSVによる擬似チーム運用を通して、必要なデータ、運用の方法、反応率などが見えてきました。
それでも、最後にこの問いが残るかもしれません。
名刺管理に、毎月お金を払う価値はあるのか?
判断の仕方は企業によって異なりますが、ここでは一例として、判断ラボ的な判断軸を整理します。
判断軸①「作業時間がどれだけ減るか」
まず見るべきは、作業時間です。
- 名刺の登録
- 情報の更新
- データの取りまとめ
- 社内共有
これらに、今どれくらい時間を使っているでしょうか。あるいは、手作業でやろうとすればどの程度時間がかかるでしょうか。
Excel運用やCSV合体を一度でも経験していれば、
- ここは毎回つらい
- この作業は無駄だ
- 自動化したい
と感じるポイントが、はっきりしているはずです。
その有料アプリの検討では、この「つらさ」を解消できるかを見るのが第一歩です。
判断軸②「売上や問い合わせにどうつながるか」
次に見るべきは、名刺管理が売上にどう影響するかです。
たとえば、
- 名刺データを使ったDM
- 既存顧客への追加提案
- フォロー漏れの防止
これらを試した結果、
- 問い合わせが何件増えたか
- 商談につながったか
- 成約が発生したか
という数字が出ているかどうか。
ここが見えない状態で、費用対効果を判断することはできません。
判断軸③「人が増えたときに耐えられるか」
名刺管理は、人が増えるほど破綻しやすい業務です。
- 人が増える
- 名刺が増える
- 更新頻度が上がる
このとき、
- Excelや手作業で回るのか
- 特定の人に負荷が集中しないか
を考える必要があります。
「今は回っている」ではなく、「この先も回るか」 を基準にすることが大切です。
判断軸④「やめたくなったときに、やめられるか」
意外と見落とされがちですが、やめやすさも重要な判断材料です。
- データは取り出せるか
- 他ツールに移行できるか
- 特定ベンダーに縛られないか
一度導入したら抜けられない仕組みは、小さな企業にとってリスクになります。
CSVでの運用を経験していれば、「データを持っている」ことの重要性も理解できているはずです。

判断軸⑤「現場が自然に使い続けるか」
最後は、現場が無理なく使えるかです。
- 入力が面倒ではないか
- 使うメリットが実感できるか
- 「使わされている」感がないか
どんなに高機能でも、現場が使わなければ意味がありません。
無料ツールやExcelで一度回してみた経験は、この判断にとても役立ちます。
「体験」で得られたデータを「整理」して判断する
名刺管理アプリにお金を払う価値は、導入前に決めるものではありません。
- 無料で触る
- 不便を体験する
- 効果を試す
このプロセスを経たあとで初めて、「お金を払うかどうか」を判断できます。
myBridgeによる疑似チーム運営を経験しておけば、判断に必要なデータは集まっているはずです。
あとはここまで紹介した判断軸に照らして、本当に有料化が必要かどうかを判断すれば良いのです。

まとめ|名刺管理は「導入」ではなく「判断」から始める
名刺管理アプリの導入で失敗しやすい理由は、ツール選びそのものではありません。
判断するための材料がそろわないまま、導入を決めてしまうこと
これが一番の原因です。
- 何がしたいのかが曖昧なまま検討が始まり
- 短い無料期間では運用の実態が見えず
- 比較やテストに疲れて、消極的な決断をしてしまう
小さな企業ほど、この流れに陥りやすくなります。
だからこそ、いきなり有料の名刺管理アプリを導入するのではなく、
- 無料で触る
- 不便を体験する
- 実際の反応や数字を見る
という 「判断のためのステップ」 を踏むことが重要です。
myBridgeを使った個人利用やCSVによる擬似チーム運用、そしてExcelでの試行は、一見遠回りに見えるかもしれません。
しかしこのプロセスを通すことで、
- 名刺管理で本当にやりたいこと
- 手作業の限界
- 自動化にお金を払う意味
が、現場の感覚として見えてきます。
名刺管理アプリにお金を払う価値は、導入前の想像ではなく、体験後の実感で判断すべきものです。
判断できる状態までたどり着けた時点で、名刺管理の導入はすでに半分成功しています。
この先、有料ツールに進むにしても、あるいは「今はまだ不要」と判断するにしても、その結論は、以前よりずっと納得感のあるものになるはずです。

