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自社サイトやSNSで情報発信をしていても「必要な人に確実に届いている」とは限りません。
AIの広がりにより、SNSや検索上にはコンテンツがあふれ、競争はどんどん激化しています。こうした環境下で自社の魅力を伝えていくことは簡単なことではないでしょう。
しかし、「メールマーケティング」は少し性格が違います。
名刺交換、問い合わせ、資料請求、取引、セミナー参加など、すでにビジネス上の接点を持った相手に対して直接情報を届けられるからです。
多くの企業が取り組む「メールマーケティング」ですが、始めるのは意外と簡単です。
メール配信システムを使えば、一斉配信や予約配信、配信停止管理、開封率やクリック率の確認などをまとめて行えます。
「自社に合うメール配信システム」を選ぶことさえできれば、すぐにでもメールマーケティングを始めることができるのです。
では、「自社に合うメール配信システム」は、いったいどうやって選べばよいのでしょうか。
本記事では、小さな会社がメルマガ配信ツールを選ぶときに確認したい、料金・機能・配信数の違いを整理します。
メルマガ配信ツールは「何を送るか」「誰に送るか」から考える
メルマガ配信ツールを選ぶとき、最初に気になるのは料金でしょう。小さな会社にとって、月額が無理なく続けられる範囲かどうかは大きな判断材料になります。
しかし、メルマガ配信ツールは「安いものを選べばよい」というものではありません。
どのツールを選ぶべきかは「何を送るのか」「誰に送るのか」「どこまでフォローするのか」によって変わります。
月1回の近況報告を既存顧客や取引先に送るだけなら、シンプルな一斉配信と配信停止管理があれば十分かもしれません。
一方で、資料請求をした見込み客に対して導入事例や比較ポイント、セミナー案内などを順番に届けて反応を見たい場合は、ステップメールやクリック計測、グループ分けの機能が必要になるかもしれません。
自社の目的に合わないツールを選んだ結果、機能の追加やツールの見直しなどに時間を取られ、思わぬコストがかかることもありえます。
ツールを選ぶ際には、自社がどんなメールを送りたいのかを考えることが大切なのです。
メルマガは、売り込みだけでなく接点維持にも使える
メルマガというと、新商品やキャンペーンを案内する「売り込みのメール」を思い浮かべる人も多いでしょう。
もちろん、販促目的のメールも重要です。
しかし、メルマガはすぐに売上を狙うものだけではありません。
- 名刺交換をした相手に会社の取り組みを伝える
- 過去に問い合わせがあった人に事例を紹介する
- 既存顧客に新機能や活用方法を知らせる
こうした情報発信を継続することで、必要なタイミングで思い出してもらうきっかけを作れます。
一般的に送られているメルマガのターゲットや内容を整理すると、次のように分類できます。
| 送る内容 | 主な送信先 | 目的 | 必要になりやすい機能 |
|---|---|---|---|
| 月1回のお知らせ | 既存顧客・取引先 | 接点維持 | 一斉配信、配信停止管理 |
| 自社商品の開発背景 | 名刺交換した人・見込み客 | 興味喚起、信頼形成 | HTMLメール、クリック計測 |
| 他商品との違い | 検討中の見込み客 | 比較検討の後押し | グループ分け、クリック計測 |
| 新機能・改善情報 | 既存顧客 | 継続利用、再購入 | 予約配信、セグメント配信 |
| 導入事例・活用事例 | 見込み客 | 不安解消 | クリック計測、ステップメール |
| セミナー・イベント案内 | 過去参加者・資料請求者 | 申込獲得 | リマインド配信、フォーム連携 |
| 会社の近況・ニュースレター | 取引先・地域関係者 | 関係維持 | 読みやすいHTML、定期配信 |
メルマガで送る内容は対象者によってさまざまです。
そして、送る内容が変われば、メール配信システムに求められる機能も変わるのです。
これからメールマーケティングを始める段階の企業の場合は、上記表も参考に「誰に送るか」「何を送るか」から考えてみるとよいでしょう。
配信対象数と月間配信数をざっくり見積もる
メール配信システムは、登録アドレス数や月間配信数によって料金が変わるものも少なくありません。必要な機能と同時に、配信の規模をざっくり把握しておくことが大切です。
メールマーケティングをこれから始める企業が「どのくらいの配信数になるのか」を見積もるのは簡単ではないでしょう。
しかし、「誰に送るか」「何を送るか」がある程度固まれば、「どのくらい送るか」が見えてくるはずです。
月間配信数は、基本的に次のように考えます。
月間配信数 = 配信対象人数 × 月の配信回数
配信対象が300人で、月2回メルマガを送るなら、月間配信数は600通です。配信対象が1,000人で、月4回送るなら、月間配信数は4,000通になります。
メールを読んでもらえるか、メールによって問い合わせなどのアクションを起こしてもらえるかは、内容や配信タイミングによっても変わってきます。
内容は反応を見ながら磨いていくものなので、最初のうちは配信数のわりに成果が出にくいかもしれません。
慣れるまでの間は成約の見込みが高そうな相手を選んで配信数を抑えるのも一つの手かもしれません。
ここまでの章で、「誰に送るか」「何を送るか」「どのくらい送るか」の情報がそろいました。
この情報がそろえば、メール配信システムに必要な機能や配信数上限がわかるはずです。
無料・低価格のメルマガ配信ツールを選ぶときの注意点
これからメルマガを始める会社にとって、無料プランや低価格のメルマガ配信ツールは魅力的に映るかもしれません。
まずは小さく始めて、配信内容や反応を見ながら改善していく考え方は現実的です。
ただし、無料プランや安価なプランでは、次のような制限がある場合があります。
- 登録できるメールアドレス数が少ない
- 月間配信数に上限がある
- ステップメールが使えない
- 開封率やクリック率などの効果測定が限定される
- 配信元ドメインやDKIMなどの設定に制限がある
- サポート範囲が限られる
「無料で始められるか」「月額が安いか」だけではなく、半年後もそのプランで続けられるかを確認しておきましょう。
また、小さな会社の場合はサポート範囲も重要です。無料ツールの場合はサポートが期待できないものも少なくありません。問題が発生したときに問い合わせることができるかは、必ず確認しておくようにしましょう。
目的別にメルマガ配信ツールを比較する
ここまでの章で、メルマガ配信ツールを選ぶ際の視点として、「何を送るか」「誰に送るか」「どのくらい送るか」「無料・低価格プランの注意点」を整理してきました。
ここからは、小さな会社が検討しやすいメルマガ配信ツールを、いくつかの判断軸で比較していきます。
今回取り上げるのは、次の5つです。
- める配くん
- ワイメール
- ウィルメール
- ブラストメール
- さぶみっと!メール配信
いずれも国内事業者が運営しており、多くの企業や自治体などで導入されているサービスですが、料金体系や得意分野には違いがあります。
また、実際に利用する場合は「使いやすそうか」も重要な判断材料になります。
多くのツールでは無料体験を提供していますので、気になるツールがあればまずは無料体験で使用感を確認してみるのがよいでしょう。
では、目的別にツールの相性を確認していきましょう。
費用を抑えて始めたい|最低月額と配信数上限で比較する
まずは「費用を抑えて始めたい」場合です。
安さだけを見るのは危険ですが、登録アドレス数や月間配信数の上限も考えた上であれば費用を重視するのも現実的です。
主なツールの最低月額と上限を整理すると、次のようになります。
| ツール | 最も安いプランの金額 | 登録アドレス数・配信数上限 |
|---|---|---|
| さぶみっと!メール配信 | 月額1,170円(税別) | 登録アドレス数:1,000件 月間配信数:1,000通 |
| める配くん | 月額2,380円(税別) | 登録アドレス数:5,000件 月間配信数:30,000通 |
| ブラストメール | 月額4,000円(税別) | 登録アドレス数:5,000件 配信通数:無制限 |
| ウィルメール | 月額4,000円(税別) | 公式サイト上では未公開 詳細は問い合わせ |
| ワイメール | 月額4,980円(税別) | 読者登録数:無制限 メール配信数:無制限 |
費用の面では、さぶみっと!メール配信が月額1,170円(税抜)で最も安く、める配くんのライトプランが月額2,380円(税抜)で比較的安いという結果になりました。
ただし、登録アドレス数や月間配信数を見ると、さぶみっと!とめる配くんにはかなり大きな差があります。
限られた人数に月1回程度配信するなら、さぶみっと!メール配信のように低価格で始められるツールが候補になります。
一方で、配信先や配信回数が増えそうな場合は、める配くんやブラストメール、ワイメールのように、上限に余裕のあるツールも検討したほうがよいでしょう。
▶ 限られた人数に定期配信したい場合
👉 さぶみっと!メール配信の料金プランを確認する
▶ 配信数を増やしながら運用したい場合
👉 める配くんの料金プランを確認する
豊富な機能が必要|セグメント配信・ステップメール・ABテストで比較する
次に、「豊富な機能が必要」な場合です。
メルマガ配信ツールの多くは、HTMLメールの作成や開封率・クリック率の確認に対応しています。
違いが出やすいのは、送信先を条件で分けるセグメント配信、見込み客に段階的にメールを届けるステップメール、件名や本文の違いを試すABテストなどの機能です。
特に、資料請求者に導入事例を順番に送る、商品Aに興味がある人と商品Bに興味がある人で内容を分ける、件名を変えて反応を比べる、といった運用をしたい場合は、こうした機能が使えるかを確認しておきましょう。
公式サイトで記載されている機能を基に、各ツールの対応状況を整理すると次のようになります。
| ツール | セグメント配信・絞り込み | ステップメール | ABテスト | 見方 |
|---|---|---|---|---|
| める配くん | 対応 | 対応 | 記載なし | 低価格から段階的に機能を広げたい |
| ワイメール | 対応 | 対応 | 対応 | 定額で多機能を使いたい |
| ウィルメール | 対応 | プレミアムプランで対応 | 記載なし | 顧客データを活用して配信したい |
| ブラストメール | 対応 | 記載なし | 記載なし | シンプルな一斉配信と絞り込み向き |
| さぶみっと!メール配信 | 対応 | 記載なし | 記載なし | 低価格で基本機能を確認したい |
公式サイトで記載されている範囲では、段階的に情報を届ける「ステップメール」にはめる配くん、ワイメール、ウィルメールが対応。違う内容を届けて読者の反応を比較する「ABテスト」機能はワイメールのみが対応を打ち出しているという結果になりました。
この比較で見ると、豊富な機能を重視するならワイメールが候補になりそうです。
一方で、める配くんも属性・グループを使った絞り込みやステップメールに対応しているため、費用を抑えながら段階的に機能を広げたい場合には検討しやすい選択肢でしょう。
▶ ステップメールやABテストまで使いたい場合
👉 ワイメールの機能を確認する
▶ 費用を抑えつつステップメールまで使いたい場合
👉 める配くんの機能を確認する
見直しコストを抑えたい|配信数増加やプラン変更のしやすさで比較する
次に、「後からの見直しコストを抑えたい」場合です。
メルマガは、始めた直後よりも、半年後や1年後の方が配信対象や配信回数が増えることがあります。
最初は月1回、数百人への配信でも、運用を続けるうちに、既存顧客向けのお知らせ、セミナー案内、キャンペーン案内、資料請求者へのフォローなど、配信の種類が増えるかもしれません。
このとき、すぐ上位プランへの変更が必要になったり、別ツールへの移行が必要になったりすると、担当者の負担が大きくなります。
読者数や配信数が増えたときの見方を整理すると、次のようになります。
| ツール | 配信数・読者数が増えたときの見方 | 注意点 |
|---|---|---|
| ワイメール | 読者登録数・メール配信数が無制限 | 初期の配信数が少ない場合は割高に感じる可能性 |
| ウィルメール | 管理画面上で契約プランを変更可能 | 配信数が多い月・少ない月で調整する運用向き |
| ブラストメール | メール配信通数は無制限 | 登録アドレス数が増えると上位料金を確認する必要 |
| める配くん | プランごとに月間配信数が決まる | 月間配信数を超過すると当月の配信ができなくなる |
| さぶみっと!メール配信 | 上限超過時は自動的に上位コースへ移行 | 下位コースへの変更ができない点に注意 |
ワイメールは、読者登録数・配信数無制限、ウィルメールは、管理画面上の操作で契約プランをいつでも変更できると案内されています。
登録読者数や配信数の増加をあまり気にせず使いたい場合はワイメール、配信量に応じてプランを調整したい場合はウィルメールが有力な選択肢になるでしょう。
▶ 読者数や配信数が増えても料金プランを見直したくない場合
👉 ワイメールの料金体系を確認する
▶ 配信数に合わせてプランを調整したい場合
👉 ウィルメールの料金プランを確認する
サポートを重視したい|電話サポートが受けられるかで比較する
最後に、「サポートを重視したい」場合です。
メルマガ配信ツールは、導入して終わりではありません。
配信リストの登録、配信停止への対応、HTMLメールの作成、配信エラー、DKIMなどの設定で迷うことがあります。
専任のマーケティング担当者や情シス担当者がいない小さな会社では、困ったときに問い合わせできるかどうかも重要な判断材料になります。
特に、初めてメールマーケティングに取り組む場合は、メールや問い合わせフォームだけで十分なのか、電話で相談できる方が安心なのかを確認しておきましょう。
公式サイトで記載されているサポート体制を基に整理すると、次のようになります。
| ツール | 主なサポート体制 | 電話サポートの有無 | 見方 |
|---|---|---|---|
| める配くん | メール対応、電話対応 | スタンダードプランから対応 | 低価格帯でも電話対応を受けやすい |
| ブラストメール | 電話サポート、AIサポート、サポートサイト | Lightプランから対応 | 電話サポートを重視しやすい |
| ワイメール | 問い合わせ導線、オンラインヘルプ | 「原則としてメールでのお問い合わせをお願いしています」と記載 | 定額・多機能重視で検討 |
| ウィルメール | 問い合わせフォーム、オンラインマニュアル | 電話受付非対応 | フォーム対応やマニュアルを重視する人向け |
| さぶみっと!メール配信 | ヘルプセンター、問い合わせフォーム | 明確な記載なし | 低価格で始めたい人向け |
電話サポートを明確に打ち出しているのはめる配くん、ブラストメールの2つだけという状況でした。
この比較で見ると、電話サポートを重視する場合は、める配くんやブラストメールが候補になります。
特に、費用を抑えながら電話サポートも受けたい場合は、める配くんのスタンダードプランが検討しやすいでしょう。
▶ 費用を抑えつつ電話サポートも重視したい場合
👉 める配くんのサポート体制を確認する
▶ 電話サポートや専任サポートまで確認したい場合
👉 ブラストメールのサポート体制を確認する
目的別に整理する|自社に合うメルマガ配信ツールはどれか
ここまで、費用、機能、見直しコスト、サポート体制という4つの視点から、主なメルマガ配信ツールを比較してきました。
目的別に整理すると、次のようになります。
| 重視したいこと | 候補になるツール | 見るべきポイント |
|---|---|---|
| 費用を抑えて小さく始めたい | さぶみっと!メール配信、める配くん | 月額料金、登録アドレス数、月間配信数 |
| 費用と配信数上限のバランスを見たい | める配くん | 低価格と配信数上限のバランス |
| ステップメールやABテストを使いたい | ワイメール | ステップメール、ABテスト、定額制 |
| 費用を抑えつつステップメールも使いたい | める配くん | どのプランから機能が使えるか |
| 読者数や配信数が増えそう | ワイメール | 読者登録数・配信数の上限 |
| 電話サポートを重視したい | める配くん、ブラストメール | 電話対応の有無、対象プラン |
メルマガ配信ツールは、どれか1つがすべての会社にとって正解というわけではありません。
費用を抑えたいのか、ステップメールやABテストまで使いたいのか、後からの見直しを減らしたいのか、電話サポートを重視したいのかによって候補は変わります。
ランキングの順位だけを見るのではなく、自社の使い方に合うかどうかを基準に選ぶことが大切です。
まずは、「何を送るか」「誰に送るか」「どのくらい送るか」を整理し、そのうえで料金、機能、サポート体制を確認していきましょう。
まとめ|小さな会社は「何を送るか」から逆算して選ぶ
メルマガ配信ツールは、料金だけで選ぶと失敗しやすいツールです。
月額料金が安くても、登録アドレス数や月間配信数が足りなかったり、必要な機能が使えなかったり、困ったときに十分なサポートを受けられなかったりすることがあります。
小さな会社がメルマガ配信ツールを選ぶときは、まず「何を送るか」「誰に送るか」「どのくらい送るか」を整理することが大切です。
月1回のお知らせを既存顧客に送るのか、資料請求者に導入事例を順番に届けるのか、セミナー案内やキャンペーン情報を複数回配信するのかによって、必要な機能や配信数は変わります。
費用を抑えて小さく始めたいなら、さぶみっと!メール配信やめる配くんのような低価格帯のツールが候補になります。
ステップメールやABテストなどの機能まで使いたいなら、ワイメールのような多機能型も検討できます。
また、初めてメールマーケティングに取り組む会社や、専任担当者がいない会社では、電話サポートの有無も重要です。費用を抑えつつ電話で相談できる安心感を重視するなら、める配くんやブラストメールも比較対象になります。
大切なのは、ランキングの順位や月額料金だけで決めないことです。
自社が送りたい内容、配信対象の数、必要な機能、将来の増加、サポート体制を確認したうえで、無理なく続けられるメルマガ配信ツールを選びましょう。

